包んだり、掛けたりして使うポジャギは、朝鮮半島で生まれた布と布、色と色を繋ぐ手芸品だ。奈良・生駒に住む吉本潤さんは、韓国で学んだポジャギ制作を続けて20年になる。一針一針、根気よく。そこには作る、使う、人と繋がることを楽しむ姿があった(撮影:下村亮人)
季節ごとに替えるのも楽しみのひとつ
この家にはいたるところにポジャギがあるでしょう。毎日なにかしら作っているので作品はいくらでもあるの(笑)。夏はこうして薄手のもの、透け感を楽しめるものを玄関まわりや窓辺に掛けて。季節ごとに替えるのも楽しみのひとつです。
夫の赴任に伴い、釡山(プサン)で暮らしたのは2003年からの4年間。当時、『冬のソナタ』などのドラマをきっかけに、日本で韓流ブームが起きていたと思います。
友人たちから「たくさんドラマが見られるなんて羨ましい!」とずいぶん言われましたが、こっちは言葉もわからない、テレビに字幕が出るわけじゃなし、それどころじゃなかった。(笑)
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最新作のポジャギは、「布のステンドグラス」という言葉がぴったりの美しさ。3ヵ月程度で完成したそうで、その制作スピードに驚く