玄関には彩り豊かな一枚を壁掛けとして。その下の薬箪笥にもポジャギが敷かれている

その前に一度、韓国を旅した際、夫に連れられて仁寺洞(インサドン)の骨董街に行ったことがありました。

「きっと好きだと思うよ」と言われて見たポジャギのことは、いまもよく覚えています。まさにステンドグラスのようで、これまで出合ったことのない美しさ。一瞬で心を奪われました。

吉本潤さんは、これまでステンドグラス、彫金、アメリカンキルト……とさまざまな手工芸に打ち込んできた。自宅には父から受け継いだ民藝家具や自身で集めた李朝家具などが数多く並ぶ

ポジャギと一言で言っても一重や二重仕立て、中綿を入れたもの……とさまざまありますが、一重で仕立てるパッチワークなんて、世界中でポジャギだけではないでしょうか。

繋がれた布のひとつひとつも素晴らしいと思いました。透かし模様や刺繍が入っていたり、質感も色も日本では見たことのないものばかりで。

<包んだり、覆ったり>
食卓の料理にかぶせて使うために生まれたかたち。中央につまみがついている