『すごい危険な生きもの図鑑――生きるのに、みんな必死です。』より
たくさんの生きものが存在する中、生き残るために進化してきたその生態は多種多様。するどいツメやキバをもつものや、毒を使って攻撃する爬虫類、人間を危険にさらすウイルスや菌を保有した動物…上野動物園園長を務め、現在は日本鳥類保護連盟会長の小宮輝之さんが、なぜ危険な武器を持っているのか、またいざという時の対処法を解説。今回は臭い攻撃をしてくる、シマスカンク、アルパカについて紹介します。

シマスカンク 強烈悪臭プレーで、必殺鼻つぶし!

必殺”くさい攻撃”で、クマをも撃退する小さな勇者、それはスカンク!

夜行性のスカンクの敵は、夜に活動するクマなどの哺乳類。その多くはにおいをたよりに活動しています。スカンクはキケンを感じると、敵に向かって尻尾を振りながら、足を踏み鳴らして警告。

それでも近づく敵には逆立ちして、肛門のわきにある肛門腺から悪臭スプレーを噴射!目つぶしならぬ鼻つぶし!鼻がきかなくなった敵は、退散するしかなくなるのです。

スカンクのくさいスプレーは、おならではなく油のような分泌液。ゴムが焼けたような卵がくさったような悪臭の正体は、麻酔薬などに使われる強力な成分です。

吸い込むと意識がもうろうとなるほどのパワーがあり、洗剤で洗ってもとれません。