熱中症予防に重要な役割を果たすのが筋肉
ところが、暑い日は汗をたくさんかくため、体内の水分が不足気味に。すると、汗をかけなくなるとともに、血液のめぐりも悪くなり、体内に溜まった熱を逃がせなくなるのです。
「深部体温が上がると、心臓や肝臓などの臓器が正常に働かなくなり、頭痛や吐き気、めまいやたちくらみといった症状が表れます。これが典型的な熱中症の初期症状です」
予防のためには、できるだけ体内に多くの水分を保持しておきたいところ。そこで重要な役割を果たすのが筋肉だと、谷口先生は話します。
「筋肉はいわば貯水タンク。筋肉量が多い人ほど、体重に占める水分量の割合は多くなります。つまり、筋肉の少ない高齢者や女性、肥満の人は、体内に溜められる水分量が不足しがちで、熱中症になりやすいのです」