女優に憧れを持っていた私ですが、それまでの演技経験がゼロだった私は、当然ながら「アイドル」という立ち位置からのスタートになりました。歌手としてステージに上がらせていただくこともありましたが、どんな時でも「私は女優なんだ!」という強い思いだけは忘れていませんでした。
「見た目だけでグランプリかぁ」「全然、芝居できないよねぇ」と言われている空気を感じることも多々ありました。自分自身でも、思い描いているような演技がまったくできなくて、毎回、悔しい思いをしてばかり。
それでも、「私は芝居で勝負する。どんな役でもやりこなすんだ!」と、先輩方のお芝居を傍らで学びながら、鼻息だけは常に荒く保っていました。この辺でおそらく私の中に潜んでいた「あばれ馬」が覚醒したのかと思います。(笑)
「負けたくない」と毎日戦うなかで、実際にできていたかどうかは疑問ですが、自分では2002年のドラマ『ピュア・ラブ』のヒロイン・麻生木里子役を演じたあたりから、目指している〈女優〉のイメージに少しだけ近づけたかな、と思っています。