夏バテとは異なるサインを見逃さない

コルチゾールが不足すると、前ページのチェックリストにある症状が現れると言います。

「筆頭は、無性に塩からいものを食べたくなること。副腎には生命維持に必要な体内の塩分濃度を保つ役目があるのですが、副腎疲労で機能が低下すると、尿から塩分が流れ出てしまうからです」

カフェインやチョコレートに含まれるテオブロミンなどの刺激物は、副腎を無理やり奮い立たせ、コルチゾールの分泌を一時的に高めるため、元気になったように感じます。糖分たっぷりの甘いお菓子や飲み物も、緊急のエネルギーチャージに役立つので、つい頼って“甘い物依存”に。

「コルチゾールは朝の目覚めを促す働きもあるため、明け方に分泌が高まり、その後はゆっくり減少していきます。しかし、副腎疲労が起こっていると、朝はほとんど分泌されず、午後にようやく少し増える程度。そのため朝起きるのがつらくなってしまうのです」

腸粘膜が弱くなり、下痢や便秘を訴える人も多いのだそう。

「副腎疲労が疑われたら、しばらく“怠け者”になりましょう。睡眠をたっぷりとり、趣味や適度な運動を楽しんで、ストレスの発散を心がけてください。コルチゾールの無駄づかいを防ぎます」

毎日の食事から適切な量の塩分を摂る、刺激物や甘い物は極力控えるなど、副腎を労る食生活も大切です。次ページから、日々の暮らしのなかで役に立つ、副腎疲労改善のための習慣をご紹介します。