「夫婦関係が辛い」沼にハマっている夫
安東 ネガティブな感情にハマっている状態を、闇とか沼と表現することがありますよね。私の見立てになりますが、りえさんは沼から抜け出して、俯瞰ができている状態なのかもしれません。いっぽう、ご主人の方は沼にハマってしまっている。そんなご主人を見て、りえさんは少し引いてしまったのかもしれませんね。
佐藤 そうかもしれません、一時期は動揺していましたけど、今は安定している感じがします。
安東 いっぽう、ご主人は沼にハマっていて、通常モードではないように思えます。
佐藤 わかります。
安東 これにはいろんな要因があるので、ご主人と話をしていない段階では決め打ちはできませんが。まずは、ご主人に通常モードになってもらうように、働きかけるのがいいのかなと思います。
といっても本来はご主人の問題なので、りえさんが責任を負いすぎる必要はないですよ。そこまでご主人を追い込んでしまったと感じる必要もなければ、ご主人をどうにか変えていかなきゃいけないと気負う必要もないと思います。
第一段階として、「今の状態では冷静に話ができないから、コンディションを整えてきてください」ときちんと伝えることだと思います。
別れると言って衝動的に離婚届を持ってきたり、感情的に怒ってみたり。その状態で、「婚姻関係をどうするのかという大事な話ができるはずないよね」ということを、冷静に伝えられるといいと思います。どうでしょう、難しいですか?
佐藤 昔から、仕事的というか義務的な会話はスムーズにできるんです。ただ、彼も私に対してすごく冷めているのが伝わるので、「もういいよ」って言われてしまったら「話し合いをしようと思った私がバカだったんだな」と、また傷つく自分を想像してしまうんです。
安東 傷つくとしたら、どの部分に傷つくと思いますか?
佐藤 せっかく私が話を振ったのに、受け入れてもらえない。結局のところ、やっぱり変わらないことに傷つくと思いました。
安東 だとしたら、傷つく必要はまったくないと思います。なぜ傷つくかというと、今おっしゃったように「彼が理不尽なことを言っているにもかかわらず、私の方が譲歩して、話し合いの場をセッティングしようとしている。それに対して彼が応じてくれない」ことに傷ついているわけですよね。
これは産後からとのことですが、例えばワンオペでとっても大変だけれどわかってくれなかったことや、助けてくれなかった、寄り添ってくれなかったというような、過去の傷にリンクしているものもあるんだと思います。
佐藤 そうですね。