安東「感情は入れなくていいと思います。」

安東 これまで傷ついてきた過去もあるから、当時の感情も出てくるし「どうせこうなるでしょ」という未来も見えてくる。ただ、過去の傷の認識と理解してもらうことや、さらには、深い話し合いをする・しないというのも次のフェーズなんですね。今、必要なことは「現時点であなたは話し合いができる状態ではないですよ」と教えてあげることです。

佐藤 はい。

安東 別れるって、衝動的にもできるんですが、衝動的に選択すると後悔もするかもしれませんよね。お互いのこと、子どものことを含めて、きちんと話し合いのもとに進めていくのは大切なことだと思うんです。その話し合いができる状態じゃない、ということを伝えることが大切です。

佐藤 私も言わないとダメってことですよね。

安東 感情は入れなくていいと思います。「ちょっと待って、話せる状態じゃないよね?」でいいんです。攻撃的になりすぎず、落ち込まず、「ちょっとおかしいよ、それ」という感じで。

佐藤 1年間セックスを拒否したら、向こうに私を訴える権利が出るみたいなのをネットで見て、そうなのかなと思ったりしたんですけど……。

安東 セックスレスが離婚事由になるケースもありますが、そんなシンプルな話じゃないですよね。「1年間断られ続けたから、じゃあ離婚ですね」では一方的すぎだし、もっと背景があるわけですから。そんな判例があっても、現時点では気にする必要はないと思います。

それよりも「本当に離婚しましょう」と言われていると捉えるよりは、「それぐらい関係性がこじれちゃっているけど、どうするの?」と捉えた方がいいように思います。

佐藤 正直、“それが嫁の務めだ”といえばそうだな、と思う部分もあって。でもそれを嫌だと思わせた彼が悪いと思う気持ちもあるんです。