お金がないなりの努力

今考えると、お金がないなりの努力ですごくかわいいんですよ。

もちろん部屋は色をそろえたり、家具の雰囲気を統一したりしたほうがおしゃれなのですが、それよりも安さを重視。

そのためかなりちぐはぐ感のある部屋だったのですが、どこか一生懸命さが伝わるほっこりとした部屋でもありました。

その後も何回か引っ越しをしましたが、毎回持っていったのはカラーボックス。最終的に、結婚するまでの約15年間大事に使っていました。もちろん母親との思い出もあったので捨てられなかったというのもありますが、それよりも感じたのはかなり耐久性が高いこと。

普通の使い方で壊れないのはなんとなくわかりますが、テーブル代わりにご飯を食べたりしていたのにビクともしなかったのは、さすがです。

今でこそ、家族と暮らすためにそろえた家具ですが、私の原点は母親に買ってもらったカラーボックス。買ったときはそこまで長いつき合いになるとは思いませんでした。

激動の私の人生をずっと見ていたアイテムです。

※本稿は、『この道40年あるもので工夫する松本流ケチ道生活』(アスコム)の一部を再編集したものです。

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この道40年あるもので工夫する松本流ケチ道生活』(著:松本明子/アスコム)

本書には、松本さんが実際に考えたアイデアに加えそれを生み出している日々の暮らしの様子が、いきいきと描かれています。「ケチ」というと、「心が狭い」「みみっちい」というマイナスなイメージを持っている方も多いかもしれませんが、松本流「ケチ道」は毎日が楽しくなる最高の趣味なのです。

「ケチ道」を通じて、節約メソッドだけではなく、人生を楽しむヒントをたくさん知ってください。ぜひ、夢と希望が詰まっている「ケチ」を楽しんでください!