林 そういえばある人から「50歳を過ぎたら、仕事の3割はお金をもらえないことをやりなさい」と言われて、なるほどなぁと思ったことがあります。自分のためだけではなく、他人のため、「利他」も大事にしたい。それが大人として成熟することかなと思い、「エンジン01文化戦略会議」の活動も始めたんです。
おかげで湯川さんとも出会えたし、東日本大震災後に始めたチャリティコンサート「全音楽界による音楽会」でも、一緒に呼びかけ人をさせていただいて。今年の3月11日、10回目を無事開催できて本当によかった。
湯川 私は反核や平和活動、動物愛護などいろいろなNPO活動にかかわってきたけれど、とくに「人のため」と意識しているわけではないのよね。やりたい、必要だと考えたら迷わずやって、それが結果的に人のためになることもあるわけで。
林 ボランティア活動も含めていろいろな人とかかわると、人としてのキャパシティが広がっていく気がします。出会った方々から教えられることも多いし、あわよくば自然に教養も身につくのではないか、と──。
湯川 社会活動を通して、世代を超えていいお友達が増えるのは確か。「将来、湯川さんがおむつをするようになったら取り替える役目をします」などと言ってくれる人もいます。(笑)