長年、音楽業界で活躍する湯川れい子さんと、2022年から大学理事長という肩書が増えた作家の林真理子さんは旧知の仲。数々の「初めの一歩」を積み重ねてきた二人は、成熟した人生後半においても軽やかで(構成=篠藤ゆり 撮影=宮崎貢司)
小さいことでも、好きなことを
林 私は「どうせ」という言葉が嫌いなんです。「どうせ女だから」「どうせ歳だから」と口にしたとたん、道は閉ざされる。
湯川 その通りよね。
林 だから年齢は気にせず、やってみたいことはなんでもやるようにしています。とはいえ忙しくて時間がないので、物事の優先順位をつけて。仕事第一で、体力や資質も考えたうえで、ほかに何ができるか。たとえばいくら憧れたとしても、今からバレエをやるのは無理ですし。
湯川 あら、どうして? やればいいじゃない。
林 いや、ちょっとそれは……。そのかわりバレエヨガを楽しんでいます。身体も心も緩めて伸ばして、お友達とお喋りもして。
湯川 ご自分で脚本書いて、バレリーナのコスプレをするキャラクターとして登場したら?
林 ハードル高いです(笑)。ただ、オペラの脚本は書いています。じつは私、昔は歌手になるのが夢で、声楽を習った時期もあって。さすがにプロになるのは無理でした。
湯川 まぁ、お金を取ろうっていうのはちょっと(笑)。でも真理子さん、普段あまり大きな声を出さず、わりとぼそぼそお話しされるじゃない。だからちゃんとボイストレーニングを受けると、滑舌もよくなるし、誤嚥性肺炎も防げるのよ。