僕は今年も小学1年生

僕は昨年、『The Way of Nagomi(和みの道)』という英語の本を出したのですが、偶然にも皇居で開かれる歌会始の来年のお題が「和」だったので、自分も応募できるか調べてみました。ネットに投稿フォームでもあるのかと思いましたが、半紙に毛筆で一首だけ書いて郵送するという、かなり手間がかかるものでした。

短歌は初心者ですから、僕の作品が選ばれることはないと思います。でももし選ばれたら、新年に宮中で、天皇皇后両陛下の前で詠み上げられるのだから、すごくロマンがあるじゃないですか。それを想像しながら歌を作り、半紙に書いて投稿するのは、きっとワクワクする体験でしょう。それを「どうせ無理」「この年で今さら」と諦めてしまったら、まったく何も始まらないのです。

僕は54歳になった時、「これから60歳になるまでに、小学校の6年間と同じくらいの変化を自分の人生に作ろう」と考えました。『和みの道』を含め3冊の英語の本を出したのも、その試みの一つです。

しかしいざ60歳になってみると、世界はチャットGPTを始めとするAI(人工知能)のすさまじい技術革新の波を体験しています。まさに100年に一度の大変革が起きているのです。僕自身、脳の研究を始めたのは人工知能がきっかけだったので、この激動の変化に頭の中が滅茶苦茶に刺激され、もう毎日が面白くてたまりません。

還暦は干支が一巡して年齢がリセットされるというけれど、その意味でゼロから人生をやり直すくらいの気持ちで毎日を生きています。僕は今年61歳。また小学1年生のつもりで再スタートですね。

年齢なんて関係ない。何歳という数字には何の意味もない。ぜひ皆さんも自分の脳が秘めている可能性を信じて、新たな挑戦に踏み出してみてほしいと思います。