やってはならないストライク

2年前の11月に地元の酉の市に行きました。熊手を買ってお参りをして……と楽しみにしていたのに、到着したら、神社の境内はすさまじい人、人、人。参道いっぱいに並んだ列は遅々として進みません。

なんとか拝殿が近づいたころにはもう限界。お参りはあきらめようと、手に握りしめていたお賽銭の100円玉を、賽銭箱めがけて放り投げました。すると鋭く高い金属音が「カコーン」。私の“遠投”が見事、賽銭箱の上の鈴にヒットしたのです。周囲からは笑い声が起こり、人ごみの中、すぐに逃げ去ることもできず。

それ以来、彼女にふられたり、難しい上司の下についたり、なんだかいいことがない気がします。(大学講師・33歳)

 

お守りいっぱい、ご利益のほどは?

独身の私が唯一趣味といえるのが、パワースポット巡り。エネルギーたっぷりの気を浴びようと、ほぼ毎週神社や山へ出かけています。そして必ず買うのがお守り。だいたい小さな鈴が付いているので、お気に入りのバッグは朱色や金色のミニお守りで満艦飾になっております。持ち歩くだけでご利益がありそうで、私の自慢でした。

しかしこのバッグを見た友人がポツリと「あちこちのお守りをいっしょくたにしていたら、神様もケンカしちゃってダメなんじゃない?」。

なんだかツイてないことが続いていたせいもあって、指摘が結構こたえました。せっかく集めたお守りを手放すのも気が引けるし、すっかり滅入ってしまったのでした。(会社員・35歳)

 

開運の物差しがもたらしたものは

美容院を経営しているので、風水やお守り、お祓いなどの開運系には日ごろから興味津々。テレビで「天星尺」という独特の物差しで吉凶を占う方法が紹介されていました。古代中国を起源とし、宮大工が神社を建てる際に使う物差しで、1尺2寸(約36cm)を8等分にし、そこにおみくじのように八つの吉凶の様相をあてはめたものだそう。

僕もお手製の天星尺を作り、試しに自分の店の入り口を計ってみたのです。まず縦の長さを計ると「吉」の寸法と出ました。いろいろなものが上向きでよいことが続くという素晴らしい結果に大興奮です。

大喜びで今度は横の幅を計測したところ……結果は「病」の目盛に。調べると「すべてが凶」。思わずウッとうめきました。

どうやら細い木の棒を入り口の端っこにはめ込めば、間口のサイズを変えられるかもしれない。仕事の合間に、なるべく早めに仕上げなくっちゃ。(美容師・42歳)