夜間頻尿の要因
・服用している薬の影響
高血圧などで利尿薬を服用しているために尿量が多くなり、頻尿になることがあります。
・脚のポンプ機能の低下
加齢によって脚の筋肉や心臓のポンプ機能が低下すると、血液の循環が悪くなって下肢(主にふくらはぎ)に水分がたまりやすくなります。その水分は就寝時に横になると脚から上半身に戻ってきますが、そのうちの余分な水分は尿となるため夜間頻尿につながります。
高齢者は活動量が減り、日中歩いたりからだを動かしたりする機会が少ないことから、下肢に水分がたまりやすくなり、これが夜間頻尿につながります。
・就寝前のアルコールやカフェインの摂取
アルコールやカフェインには利尿作用があります。就寝前にお酒やコーヒー、緑茶、紅茶などを飲む習慣があると尿量が増えて夜間頻尿につながります。
このように夜間頻尿にはさまざまな原因がありますが、高齢者は注意が必要です。そもそも高齢になると生理的に眠りが浅くなり、すると軽い尿意やちょっとした物音などがきっかけで目を覚ますことが多くなります。
そして目が覚めると、用心のために“トイレに行っておいたほうがいいかも”と考えて、トイレに起きてしまうのです。こうしたことをくり返しているうちに、目が覚めたからトイレに行くのか、トイレに行くために起きたのかわからなくなってしまいます。
このような場合には、頻尿に対する治療よりも、頻回な中途覚醒を減らす治療のほうが有効なことが多いようです。
夜間頻尿を中途覚醒の問題として捉えて、その原因をつきとめ、適切に対処することも考慮すべきでしょう。