Q:夜中に何度もトイレに起きてしまいます

A:夜、寝ている間に排尿のために1回以上起きなければならないことを「夜間頻尿」といいます。睡眠の途中で目が覚めてしまうことから「中途覚醒」の問題として捉えることもできますが、夜間頻尿は、加齢とともにその頻度が高くなります。

その理由としては、以下のような要因が考えられます。

『名医が答える! 不眠 睡眠障害 治療大全』(監:井上雄一/講談社)

・膀胱の容量の減少
加齢によって膀胱の筋肉組織の弾力性が低下し、広がりにくくなります。すると膀胱の容量が少なくなって膀胱内にためておける尿量が減り、尿意をもよおしやすくなります。

・泌尿器系の病気の影響
男性では前立腺肥大症が関係しているケースが多いようです。前立腺肥大症は加齢によって増える病気で、肥大した前立腺によって尿道が圧迫され、十分排尿できないために膀胱内に尿が残りやすく、排尿回数が増えてしまいます。

また、過活動膀胱による頻尿もあります。過活動膀胱とは、膀胱内に尿が十分にたまっていないのに急激に尿意をもよおす状態で、夜中に急に尿意が起こり夜間頻尿の原因になります。そのほかに尿路感染症によって頻尿になることもありますが、この場合は感染症の治療をすれば頻尿は改善されます。