性能は違えど使い方は同じ

日々世界中のあちこちで改良され続けている大規模言語モデルですが、技術そのものに関心がない読者にとっていいニュースとしては、どの大規模言語モデルを用いようと、使い方は一緒ということです。もちろん、モデルごとに細かな得手・不得手はありますが、基本的には全て同じように使うことができます。

これは朗報です。つまり私たちユーザーは、今目の前にある大規模言語モデルの正しい使い方を覚えておきさえすれば、性能は上がることはあっても下がることはないので、将来にわたって大規模言語モデルを活用し続けていくことができるということです。

しかも、大規模言語モデルは、過去にできたことが将来できなくなるということはまず考えられません。よほど欠陥と思えるものならまだしも、有用な使い方はずっと有用なままで、ただ生成される文章の質が上がっていくだけ。今のうちにAIの使い方をマスターしておけば、その経験は未来永劫(えいごう)生きることになります。

※本稿は、『教養としての生成AI』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。


教養としての生成AI』(著:清水亮/幻冬舎)

2022年、文章生成AI「ChatGPT」や画像生成AI「Stable Diffusion」など、一般ユーザーも気軽に使える生成AIサービスが次々と現れて世界に衝撃を与えた。すでに“一億総AI活用時代”が到来した様相だ。「人間の仕事が奪われる」などとメディアは煽るが、その特性を正しく知って使えば、生活やビジネスの効率が大幅に上がるのは確実である。本書は最新のAI研究からその歴史、仕事への活かし方、AI時代に人間が鍛えるべき能力まで、人工知能研究の第一人者が解説。「AIを使う人間」と「AIに使われる人間」の分かれ目がここにある!