母になって、生活が激変

今回の「ケムリ研究室」の公演もそうですが、舞台が私のベースであることは30代の頃から変わっていません。ただ、42歳で結婚し、43歳で出産してから、プライベートの生活は180度激変しました。独身時代はほぼ仕事のためだけに生きていて、仕事が終われば週5で飲みに行くような毎日で。それが今では完璧な朝型です。子どもを寝かしつけるのが夜の8時半過ぎ。平日は毎朝、お弁当を作って幼稚園に送っていくので、何があろうとも7時には起きないと。飲みに行く余裕なんてありません。(笑)

まるで別人のように、ガラッと生活が変わったのは妊娠5ヵ月目で産休に入った頃です。正直な話、当時は不安でいっぱいでした。お酒どころかコーヒーも飲めないし、自分の体重や体調の管理に全神経を集中しなくちゃならないのもストレスで。おまけに、13歳で芸能界に入ってから、こんなに長期間、仕事を休んだのは初めての経験だったので、出産後にきちんと仕事に復帰できるのか、この先、どんな生活が待っているんだろうという心配もありました。

ところが、いざ子どもが生まれたら嵐のような日々が始まって、子育てするだけで精一杯。自分のことなんて考えているヒマもない。なにせ、少しでも目を離したら死んじゃうような生き物を預かっているので。「この子を守らなきゃ!」という脳内ホルモンが一気に分泌されたおかげで、生活サイクルも自然と朝型にシフトされたのだと思います。

もちろん、独身時代に比べたら、仕事に集中できる時間や自由に過ごせる時間も圧倒的に減りました。2時間おきの授乳に始まって、日々、こなさなきゃならないタスクも膨大! でも、もともと忙しくしているのが嫌いじゃない性格なので、日々、小さな達成感が味わえる生活は退屈しなくていいですね。もうひとつ、自分だけのために頑張るよりも、家族や子どもという「守るべきもの」のために頑張るほうが、私には何倍もの充実感を与えてくれるということにも気がつきました。「ママー!」って、子どもが抱き着いてくる瞬間に「幸せ~」って感じます。あと、子どもがいると、幼稚園の運動会やお遊戯会などもありますし、クリスマスや七夕、お月見といった季節の行事もきちんと意識するので、1年を通じて数々のイベントを家族で楽しめることも、幸せだなぁって感じています。