「日本ではツイッターをはじめとするS N S が盛んですが、イタリアではツイッターはあまり人気がありません」(写真:ヤマザキマリさんのインスタグラムより)
誰にも必ず訪れる「老い」「死」。実際、年齢を重ねるごとに、体に不調が現れたり、身近な人の死に触れたりと、悩みや不安は尽きません。「寿命が何歳であろうと、その時までを思い切り生きていけばいい」と語るのは、漫画家・東京造形大学客員教授として活躍するヤマザキマリさん。マリさんいわく「とにかく自分の頭で考える」ほうが頭の健康を保ち続けられるらしく――。

調和の民族、日本人

日本ではツイッターの利用者は少なくないという印象がありますが、イタリアの場合、少なくとも私周りの人たちでツイッターをやっている人はあまりいません。もちろん利用者はそれなりにいるのでしょうけど、他のSNSに比べてあまり人気がない。普段言葉にしたいことで頭が飽和状態になっている人たちにとって文字数の制限はあまり好ましいものでは無いようです。

ツイッターに関してはそんな様子なので、リツイートボタンや「いいね!」の数に囚われるような人もあまりいません。バーチャル上で見知らぬ人の共感を集めたところで、安心感のようなものを得るわけでは無いからでしょう。

基本的に個人主義のイタリア人たちは、日本人と違って群れという全体調和が日常生活で優先されることはそれほどありません。これはイタリアに限らずその他の欧州の国々も同じです。

かたや日本人は大陸のように外部から国境を越えていつでも人が押し寄せてくるようなリスクもなかったため、島国の中で常に調和を優先しながら生きてきた民族です。誰かが突出してしまうと調和が乱れてしまい、社会の存続に危機が生まれてしまいます。