自分の頭で考える
しかし、ヨーロッパの場合その歴史を振り返ってみても、人々が社会に求めてきたのは全体調和よりも群れを作り、それを統率してくれる導者です。キリスト教のような一神教が普及するのも、人間には指導者が必要だという精神性がベースにあるからなのではないでしょうか。
ですからヨーロッパやアメリカでは、自分の言葉で語れる人、自分の言葉で相手を説得できる人を育てるために、ディベートやディスカッションの時間が小学校でも重視されています。
欧米の人たちが社会で生きていくうえでは人前で自分の考えを言語化するディベート力が問われるのです。
極端な言い方をすれば「社会の秩序を守れる人になろう」という教育ではなく、「自分の頭の考えをしっかり言葉に換えて発信できる人間になろう」という視点が幼い頃から教育の中にしっかりと組み込まれているということです。
根本的な教育理念の中に、何かに寄りかかるばかりではなく、自分の足で立つことの重要性が明確に示されていると言っていいでしょう。