話は「聞いてくれるだけ」でいい…(『マンガでわかる!うつの人が見ている世界』より)
経済協力開発機構(OECD)のメンタルヘルスに関する国際調査によると、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、日本国内でうつ病・うつ状態の人の割合が7.9%(2013年調査)から17.3%(2020)と、2倍以上に増加しているとのこと。世界でも問題になる中、認知行動療法研修開発センター理事長の大野裕先生は、「うつ症状を体験している人の『わかってもらえない』という絶望感と、周囲の人の『わかることができない』という苦しみのために、お互いの関係がギクシャクする」と言います。そんなうつ状態の人が見ている世界と、周りの人がするべき対応とは。今回は、うつの人の世界に寄り添うコツをご紹介します。

話は「聞いてくれるだけ」でいい

●うつの人の声 あのときを振り返って…

あの頃、アドバイスや共感の言葉には拒絶反応がありました。

「わかるよ」という言葉すら、「わかるわけない」と感じていました。

勝手だとは思いますが、求めていたのは「うん、うん」とただ聞いてもらうことでした。

●大野先生のアドバイス

アドバイスをされると、つい反発したり逃げ出したくなったりするのは自然なこころの反応です。

うつになると、気持ちの揺れが大きくなり、そうしたこころの動きがいつも以上に強くなるので、つらさが増すのです。