ただ受け止めることが癒しになる

「話を聞いてくれること」はうつの人にとって本当に大きな支えになります。

そんなときの受け答えとして、共感の言葉やアドバイスよりも、「『そうなんだね』『うん、うん』とただ受け止めてくれるだけの方が嬉しい」という声が多く集まりました。

共感の言葉やアドバイスは、相手が求めていれば薬にもなります。でも、「わかるよ」といった言葉は、「寄り添ってくれて嬉しい」という声がある一方で、「同じ病気を味わったわけではないのに、わかるわけがない」という反発の声もあります。

「こう考えてみたら」といったアドバイスについては、「自分を否定されるようで悲しい」「実行するエネルギーがない」という声が聞かれました。

病に苦しんでいるときは、話をする気力はあっても、話を聞く気力まではまだ回復していない、ということがあります。「ただ聞く」というのは非常に難しいことではありますが、うつの人が話をしたい気分のときにはそれが大きな癒しとなるのです。