熱いお湯に浸かるのをやめる

深い睡眠のためには、深部体温の低下が必要です。入浴中は体温が上昇しますが、入浴後は血管が開き、体の熱が拡散されやすくなります。入浴は、体を体温が下がりやすい状態にし、睡眠につきやすくします。

上昇した体温をもとに戻し、下降に転じるまでには時間を要するので、就寝2~3時間前の入浴がよいでしょう。

『認知症になる48の悪い習慣 - ぼけずに楽しく長生きする方法 -』(著:岩瀬利郎/ワニブックス)

それを踏まえ、入浴時、気をつけたいのが、お湯の温度です。

お湯の温度は、40度以下のぬるめがよいでしょう。熱いお湯だと交感神経が活発になって興奮状態になるため、睡眠の妨げになります。

ぬるめのお湯であれば、副交感神経が優位になります。副交感神経が優位の状態だと脳の興奮を鎮めリラックスモードとなり、寝つきがよくなるのです。

入浴は、血行が促進され脳への血流がよくなることから、認知機能の低下を防ぐ効果があるといわれています。

また、血管性認知症を招くリスク因子である動脈硬化の進展が少ないという調査結果も出ています。

このように、入浴にはリラックス効果だけでなく、認知症や動脈硬化の予防などさまざまな健康効果が期待できます。ぜひ、これを機にぬるめのお湯での入浴習慣を取り入れてみてください。