平松先生「『ガボール・アイ』を除いて、直接的に明確な効果が認められている手法はありません」(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
ブルーベリーのサプリを摂取する、眼を揉む・洗うなど「視力を良くする」ための様々な情報が広まっていますが、これらは本当なのでしょうか? 「習慣を見直せば『一生見える目』は手に入る!」と断言するのは、眼科専門医・医学博士の平松類先生。平松先生いわく「『ガボール・アイ』を除いて、直接的に明確な効果が認められている手法はない」とのことで――。

「メガネ」に「トレーニング」……効果のほどは?

細かい穴が開いた「ピンホールメガネ」や、特殊な絵や写真を見る「マジカル・アイ」、眼球を動かす筋肉にアプローチする「外眼筋トレーニング」など、視力回復に効果的とうたわれている手法は、いくつかあります。

それらの効果が気になっている人もいるかもしれませんが、「ガボール・アイ」を除いて、論文という客観的なもので効果が示されている手法はありません。

ピンホールメガネは、ごく簡単にいうと、遠くを見るときも近くを見るときも自分でピント調整しなくていいようになっているメガネです。

かけている間は眼球を休めることができるので、ピント調整機能不全で近視が強くなっているケースや、毛様体筋の緊張による仮性近視には瞬間的に効果が表れます。

3Dでモノを見る訓練にも毛様体筋を休める効果があるとされています。それが視力回復につながるという建前ですが、厳密にいえば、リラックス効果があるかもしれない程度の話にすぎません。視力回復の効果があるとまでは言いにくいでしょう。

また、外眼筋は目を動かすための筋肉ですが、この筋肉をいくら鍛えても眼軸の長さは変わりません。それどころか、目の前で蚊が飛んでいるように何かがチラつく「飛蚊症(ひぶんしょう)」の人は、眼球に穴が開いている可能性があるため、眼球を動かす眼トレを行うと網膜剥離になるリスクがあります。

飛蚊症でなければ、外眼筋トレーニングは有害ではありません。