効果が実証されているのは「ガボール・アイ」だけ

ただ、もし何らかの効果が期待できるとしても、それは、あくまでも「目を動かす機能」の向上であって、眼軸の長さが「網膜上でピントが合う、ちょうどいい長さ」に変化するわけではないのです。

そもそも視力は移ろいやすいものなので、臨床実験の行い方次第で、いくらでも「視力回復効果があるように見える実例」を集めることは可能です。

『眼科医が警告する視力を失わないために今すぐやめるべき39のこと』(著:平松類/SBクリエイティブ)

まったくのうそっぱちとは言いません。実践し続けることで、3Dのリラックス効果や外眼筋トレーニングが、まわりまわって「ものの見えやすさ」につながることは考えられます。

しかし、そうした「風が吹けば桶屋(おけや)が儲かる」のような間接的で不確かな効果ではなく、直接的な因果関係で視力回復の効果が実証されているものというと、現時点では、脳の視覚野に作用することがわかっているガボール・アイしかないのです。