次はどんな“歓迎しない訪問者”が

本当かどうか、その場で判断できないながら、とりあえず費用を聞けば「20万くらいかな」とおっしゃいます。

高いなあ、と反応したら、「では15万では?」「10万では?」と徐々に下がっていく。「それはおかしいよ」と言えば「値段は任されているので」、とのこと。

「お願いしている大工さんがいるので」とその場で断ることができたのと、後日その大工さんに診てもらい、「特に急いで工事する必要はなさそう」との言葉を頂けたのが幸いでしたが…。

今考えれば、おそらく最初に若い人が来て作業をしたのは、住人と家の情報を確認する目的もあってのことなのでしょう。その次にドスの利く年配社員が訪問し、結構な費用の工事を行う…というところまでが、実はセットだったのではないでしょうか?

古くは「さおだけ屋」から似たような話がありますが、ますます用心しなければならない時代なのかもしれません。ただし、その「用心」以上の勢いで、この手のやり口は狡猾になっているうえ、報道で「押し込み強盗」の話も聞こえてきている以上、より警戒しないと、と痛感した次第です。

ともあれ、誰の目にもその古さが伝わるわが家。次はどんな“歓迎しない訪問者”がやって来るのでしょうか。


71歳、年金月5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活』(著:紫苑/大和書房)

71歳、ひとりシニア。子どもたちが結婚してから60代で都内に小さな中古住宅を買った紫苑さん。フリーで仕事をしていたため、年金はわずか月5万円と、お金はないけれども不安はないし、今が一番幸せ。あるものを工夫する豊かで楽しい日々をご紹介。