豊川悦司さんは白木篤郎そのもの
豊川さんとは、今回と同じ廣木隆一監督、荒井晴彦さんの脚本という座組では映画『やわらかい生活』(2006年)があり、『愛の流刑地』(2007年)などでもご一緒しています。
今回の篤郎は、あの黒縁眼鏡がすべてですよね。お風呂に入っているときも、セックスをしているときも、眼鏡をかけている。豊川さんは実際はもっとカッコいいんですが、どんどん白木篤郎そのものにしか見えなくなって、すごいなあって思いましたね。
篤郎を軸に、みはる、笙子の特殊な3人の繋がりができていて。でも、けっして夫婦の仲が壊れているわけではないんですよね。そういった部分では、演じるうえで笙子のほうが、感情表現においては難しかったかもしれない。みはるのほうが、自分の気持ちに正直で、ストレートに行動しているから。でも、子どもを置いて恋愛するなんて、実際には理解することが難しいですね。私はもし恋愛をしても、みはるさんみたいに4歳の我が子を置いていくなんて想像がつかないですし、無理だと思います。
広末さんとは、同じシーンが3シーンありましたが役の関係性もあるからか、撮影以外のところで、プライベートな話をすることはなかったです。この作品で新しい広末さんと豊川さんが観られると思います。篤郎が家庭の外では何をしているのか、笙子が問いただすわけでもなく、でもちゃんとそんな彼のこともわかっている、という芝居を広末さんはされていましたし。すごく強い女性に見えました。