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運動が苦手な人でも、忙しい人でも大丈夫。筋肉の正しい使い方さえ知れば、お腹を凹ませるエクササイズを普段の生活に簡単に取り入れることができます(構成◎武 香織 イラスト◎豊岡絵里子)

使わない筋肉の周りに脂肪はつきやすい

運動や食事制限によるダイエットを試みたけれど、お腹のたるみがとれず挫折した。理想のウエストに近づいたものの、少しサボったらすぐにリバウンドした……。そんな経験がある人は多いのではないでしょうか。そこでおすすめしたいのが、費用も時間もかからない、そして運動も食事制限もいらない「ながらドローイン」です。

ドローインとは、もともと「お腹を引っ込める動き」をさす理学療法の専門用語。腰痛改善のリハビリやアスリートの体幹トレーニングなどに取り入れられています。今回紹介するのは、お腹の部分やせに特化したエクササイズです。お腹をギュッと強く引っ込めるだけで、ウエストがサイズダウンします。

そもそもお腹がポッコリ出るのは、骨盤をぐるりと取り囲む腹巻き状の筋肉・腹横筋、いわゆるインナーマッスルが伸びてたるんでいるのが大きな原因です。使っていない、あるいは使えていない筋肉の周りには、脂肪がつきやすくなります。また、腹横筋が衰えると内臓を正しい位置に保てなくなり、やせているのに下腹だけ出ている、という状態になりかねません。

では、なぜお腹を強く引っ込めるだけで引き締まるのか。それは、腹横筋にピンポイントで刺激を与えられる唯一の方法だからです。実は、腹横筋は腹筋群の最も内層にあり、一般的な腹筋運動では鍛えることができません。だからこそ、この単純な動きをこまめにくり返すことが大切なのです。

何よりドローインは日常動作と一緒に行えるので、習慣化しやすい点が魅力。歩きながら、座りながらなど、生活のあらゆる場面でお腹を凹ませることができます。週1回ハードな運動を行うより、好きなタイミングで気軽にできたほうが、効率的かつ続けやすい。また、ケガの心配もないので高齢の方でも無理なく行っていただけます。