〈治療〉72時間以内の薬服用が効果的
早期治療が肝腎。ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬は、最初に水疱ができ始めてから72時間以内に飲むと効果が期待できます。増殖を抑えることで、神経や皮膚の細胞破壊を防ぐ。それによって症状の広がりを抑え、PHNを避けることができます。
痛みには消炎鎮痛薬など。神経の破壊が進みやすい高齢者には、PHN予防の効果もある三環系抗うつ薬を処方することも。うつ病とは関係なく、独特の鎮痛効果があります。また、外用薬も使います。
皮膚に症状が出ている時は、冷やさずに温めること。冷やすと血管が収縮し、神経に栄養が行き渡らず細胞の破壊が進むからです。水疱が出ていても入浴はお勧め。体が温まると痛みも軽減します。ただし、こすらずにやさしく洗ってください。
3ヵ月を過ぎても痛みが残るPHNは、神経が傷ついたことによる痛みと、痛みの記憶による心因性の痛みが重なったもの。興奮した神経を鎮める神経障害性疼痛薬、三環系抗うつ薬などのほか、強い痛みには麻酔薬系の痛み止め(弱オピオイド薬)などの薬で症状をやわらげます。
また、ご家族や周りの皆さんは、皮膚の症状が治ってからも痛みが残っていることを理解し、よく話を聞いてあげてください。それだけでも安心し、実際に痛みが軽くなることがあるのです。