保護者は「友達と仲良く過ごせること」を子どもに望んでいる

内閣府が行った「小学生・中学生の意識に関する調査(平成25年度)」のなかで、保護者を対象とした「教育で重視すること」の調査結果は、次のようなものでした(複数回答)。

第1位「基礎学力をつけること(69.6%)」
第2位「友達と仲良く過ごせること(65.7%)」
第3位「礼儀・規律や心の持ち方を学ぶこと(57.9%)」
第4位「考える力や創造力・表現力をつけること(51.8%)」
第5位「 音楽・芸術・スポーツや自然体験・社会体験など幅広く学ぶこと」(23.8%)
第6位「安全で安心して勉強できること」(13.8%)
第7位「希望の学校に入れる学力をつけること」(6.8%)

この調査結果を見ると、保護者は「基礎学力をつけること」と同じくらい、「友達と仲良く過ごせること」を子どもに望んでいることがわかります。

さらに、創造力や表現力を高め幅広く学び体験することよりも、友だちと仲良くすることや、礼儀・規律を守ることを重視していることが読み取れます。

ですが、わたしたちの誰もが、他人にまったく迷惑をかけずに生きていくことは不可能です。

「他人に迷惑をかけない人になってほしい」と願う親が、他国と比べてとても多いのです(写真提供:Photo AC)

また、他人に迷惑をかけずに生きようと自分を厳しく律すると、他人に迷惑をかける人に対しても、向ける視線は厳しいものになります。「自分は我慢をしているのに、この人はなんだ!」という気になるのです。

いうまでもなく、わざわざ人に迷惑をかけるような行動を取るのはナンセンスですが、さみしいと打ち明けることが迷惑をかけることだという思い込みは、再考の余地があるのではないかと思います。

さみしいということを、信頼できる人に打ち明けるだけで救われることがあるかもしれません。身近に打ち明けられる人がいないなら、SNSで気持ちを発信してみたり、ラジオやWEBなどのメディアにメッセージを投稿してみる、あるいは信頼できるプロのカウンセラーに相談したりすることも一案です。