犯人はセイタカアワダチソウ?
私が学生の頃に、花粉症の原因として騒がれていた植物に、セイタカアワダチソウがある。セイタカアワダチソウは、北アメリカ原産のキク科の外来植物である。
今では、問題になっている外来植物はいくつもあるが、当時は、外来植物の種類自体はたくさんあったものの、目に見えて被害をもたらすような雑草は少なかった。その中で、拡大するセイタカアワダチソウの猛威は、かなり目立っていたのである。
セイタカアワダチソウは群生して、一面に黄色い花を咲かせる。
もともと、日本の秋の風景といえば、ススキの原っぱが広がっていたり、秋の枯れ野にポツンポツンと野の花が咲くような風情あるものだった。
それをショッキングな黄色一色に変えてしまったのだから、セイタカアワダチソウの猛威は植物にくわしくない人たちにとっても明らかだったのである。
セイタカアワダチソウは、「背高泡立ち草」である。セイタカアワダチソウは、その名の通り、背が高い。背の高いものでは二メートルや三メートルを超えるものまである。
そして、花が咲き終わると綿毛のような種子を作り、一斉に飛ばす。この風景が泡が立っているように見えることから、「泡立ち草」と名付けられたのだ。
大量の綿毛を風に飛ばしていくようすは、見ただけで鼻がむずむずするが、花粉症の原因は「花粉」なので、セイタカアワダチソウの綿毛が花粉症の原因になるわけではない。