河原ではセイタカアワダチソウが満開。

すべてにつながっていると思われるのが、アメリカではみんなやってる(らしい)別室で寝かせる方式。

うちも、トメが生まれる前から、そうしようと夫が主張していたが、あたし的にはとんでもなく、川の字しかないじゃんと思っていたが、夫が心底いやがったので、夫婦ベッドの隣にベビーベッドを置くことにした。夜中にぐずると抱きあげて、あたしの右隣に寝かせて(左隣は夫)そのまま朝まで寝た。

あたしには不可能だったそれを、カノコはやすやすとまたぎ越えた。本を数冊読み聞かせしたら、おやすみのキスをして、子どもは自分の部屋で勝手に寝る。あたしがカノコたちにやってたみたいに、最後の息が収まるまでそばにいて、結局こっちも寝落ち、なんてことはないのである。子どもが寝たあとの夜を(いれば、したければ、の話だが)パートナーと、ないしは自分のために、使えるのである。トメもしーちゃんを別室で寝かせていて、赤ん坊を監視する機械は、SFですかというようなシロモノになっている。

家の大きさも絶対にある。アメリカの家は日本の家より格段に広い。経済状況にももちろんよるけど、あたしの住んでいた郊外の、お金持ちではないが貧しくもない人々の家はとても広い。

そして、これは、アレだな(高橋源一郎から声をお借りしました)。

『メアリー・ポピンズ』を思い出してください。メアリー・ポピンズに、ブリルばあや、エレン、そしてロバートソン・アイ。使用人で桜町通り17番地は埋まっていた。そういう時代だったのだ。

それから、これは、アレでもある。ジュリア・チャイルドの『フランス料理のアートをマスターする』(直訳です)。

アメリカじゃ知らない人はいない料理本の傑作だが、アメリカの家庭でフランス料理を「使用人なしで」作るという触れ込みの本だった。西欧にまんべんなくある、人を招いて接待するパーティー社交文化の中に入ってみて、あたしには、「使用人なしで」の価値が、心から理解できたのだった。