本当にここまでこられてよかった

ファンの方々の声援が本当に温かくて、みなさんが私を見守る眼差しの温もりがステージに立っているだけで伝わってくるんですよ。バンドメンバーのみなさんもずっと一緒にやってきた仲間なので、私と一緒に涙ぐんでいました。本当にここまでこられてよかった。やってきた意味があったと思えましたね。

本当は、40周年の節目にファンの皆さんにいろいろお返ししようと思っていたのですが、実際にはその何百倍もの喜びを返してもらって、私はなんて幸せな人生を歩んでいるんだろう、と。14歳でデビューしてから、嬉しいことも大変なこともいっぱいあったけど、これほどの感動ははじめてでした。自分がいつか死ぬ時には、あの日の光景が走馬灯の中で絶対に蘇ると思います。(笑)

去年40周年を終えたことで、自分の中でひと区切りした感覚がありました。ここまでこれただけでも本当にラッキーだったから、ここから先はもっと自由に何も持たずに行けたらいいなと思っています。若い頃は目の前の仕事についていくのに必死だったけど、これ以上ないっていうぐらい満足して40周年を終えることができたので、あとは楽しむだけだな、と。何も背負っていない感覚が心地いいんです。

私の仕事って、いつなくなってもおかしくない仕事ですよね。でも、もうそれでもいいかなって。そうしたら逆に、「今いただいているお仕事を大事にしたい」という感覚が芽生えてきて。「いつまでも先がある」と思うとこんなふうには考えられないけど、「これが最後」くらいの気持ちで物事に臨むと、すべてのことに積極的になれる気がします。