ドイツに学んだ記号

この記号は日本が多くを学んだドイツの地形図に由来するらしく、あちらでは現在もほぼ同じオタマジャクシ形が用いられている。

残念ながら日本の「湧泉」記号は消えたが、大正6年図式の運用方法を記した陸地測量部(国土地理院の前身)の『地形図図式詳解』(昭和10年改訂)によれば、湧泉を「著シク水ノ湧出スルモノヲ示スヘシ。但(ただし)図上ニ於テ識別シ得ル池或ハ井等アルトキハコノ記号ヲ描カス」(原文は句読点なし。以下引用文は同様)としている。

『地図記号のひみつ』(著:今尾恵介/中央公論新社)

オタマジャクシ記号が描かれるのは、図上に描かれるような大きさの池などが存在しない場合のみだ。

温泉に似た記号に「噴火口・噴気口」があるが、これは活火山などで噴煙を上げているものに適用される。

記号は温泉が縦向の揺らいだ湯気なのに対して、こちらの記号は水平の短線を5本重ねた記号だ。