(写真提供◎photoAC)
地図を読む上で欠かせない、「地図記号」。2019年には「自然災害伝承碑」の記号が追加されるなど、社会の変化に応じて増減しているようです。半世紀をかけて古今東西の地図や時刻表、旅行ガイドブックなどを集めてきた地図研究家の今尾恵介さんいわく、「地図というものは端的に表現するなら『この世を記号化したもの』だ」とのこと。「温泉マークに法的拘束力はないので、『私が描く地図ではこれが温泉記号』と勝手に宣言しても問題ない」そうで――。

「湧水」の地図記号

温泉・鉱泉以外の湧水もかつては記号が定められていた。

日本で初めての地形図である2万分の1「迅速測図」に「水源」として登場している。

記号の形は小さな池から川が流れ始まった描写で、関西地区で始まった2万分の1「仮製地形図」にも引き継がれた。

その後はオタマジャクシ形となり、その後はすべてこの形の記号を「湧泉」として「昭和30年図式」まで継続した。

最後のは3色刷なので記号も青色である。