そもそものきっかけは、47歳で2度目の引退をした時、「この先も、ずっとテニスと縁をつないでいきたい」という思いがあったから。現役を退いたとしても、女子テニス界のために、自分がやらなきゃいけないことが何かあるんじゃないかって。
実は、1回目の引退を決めた26歳の時は「テニスとは縁を切る」という心境でした。でも、しばらくして、キッズテニスを全国の子どもたちに広める活動に携わることになりました。
その時に、3~10歳の子どもたちにテニスの楽しさを伝えることができたので、2回目の引退後は、その上の世代でプロになる一歩手前のジュニア選手の育成に力を注ごうと考えたのです。
私が1stキャリアでワールドツアーを戦っていた時代に比べると、現在は女子もパワーテニス、スピードテニスが主流になっています。
上背(うわぜい)がないアジア人選手は、いかにしてパワーテニスに対抗するかが悩みの種。体形的にも体力的にも、欧米人の持って生まれたパワーとは大きな差があるので、そこをどうやって埋めていけばいいのか。世界で戦うコートに立った時に困らぬように、テクニックやメンタル面で何が必要なのか。
現役時代に経験してきたことの数々を、余すことなく後進たちに伝えていけたらと思います。