今年8月「W15 アスアスラボ国際チャレンジカップ」のコートに立つ伊達さん(写真提供◎JWT50)

今どきの若い世代は「真面目」で「よく泣く」

そんな思いでジュニアの育成プロジェクトを始めたところ、自分でも驚くほど、「この活動にエネルギーを注ぎたい!」という思いがどんどん膨らんできたのです。

10代の選手たちにはありあまるほどの伸びしろがあり、教えたことをスポンジのようにグングン吸収する。そんな若い世代と一緒に過ごす時間はとても楽しいと感じています。

と同時に、「私たちの時代とは違う」とジェネレーションギャップを感じることも。今の若い子たちはとにかく真面目なんです。練習もたくさんするし、「走ってきて」と言えば、文句も言わずに走りに行く。それに比べたら、私たちは、もっとひねくれていましたね。(笑)

私もテニスを始めた頃の小学生や中学生頃までは、いかに練習をサボるかを考えていて。小学校時代に所属していた京都のテニスクラブは山のふもとにあったので、「走ってこい」と言われたら、山道を延々駆け上がり、峠にある公衆電話から「着きました」とクラブに電話して、山を下りてくる決まりになっていたんです。

でも、そんなの大変でしょう?こっそり近道を通って峠まで行き、時間を見計らって電話をしてクラブに戻る。そんな悪知恵を働かせていた私に比べたら、今のジュニアは本当に素直で真面目です。