「2022年の暮れ、東京から神奈川県の葉山へ引っ越しました。子どもたち全員の手が離れたこともあり、別荘にしていた葉山の家へ拠点を移すことにしたのです」(撮影=浅井佳代子)
モデルとして活躍しながら日々の暮らしを発信している桐島かれんさん。子育てが一段落し、食生活に変化はあったのでしょうか。作家で母の桐島洋子さんとの思い出も振り返ります(撮影=浅井佳代子 構成=山田真理)

表情や雰囲気で「少し元気がないな」

2022年の暮れ、東京から神奈川県の葉山へ引っ越しました。長女は結婚し、次女は東京で働き、三女に続いて長男もアメリカで勉強することになって。子どもたち全員の手が離れたこともあり、別荘にしていた葉山の家へ拠点を移すことにしたのです。

今回の引っ越しで、これまでとは食生活が変わりました。海に近い葉山の駅前には、新鮮で美味しい魚を仕入れる魚屋さんがあるし、漁港近くでは獲れたてのシラスも手に入ります。

農家の直売所で旬の野菜や果物を見つけるのも楽しくて。庭にはレモンなどの果樹が植わっています。東京ではプランターで育てていた野菜も、地植えにすればより多くの品種が作れるので、これから挑戦するつもりです。

そしてもう一つ大きく変わったこと。それは料理にかける時間です。わが家は少し変わっていて、これまで家族6人に加え、夫(写真家の上田義彦さん)のアシスタントたちのご飯も用意して、毎日全員で食卓を囲んできました。総勢10人分以上のご飯を、アシスタントと一緒に2~3時間かけて作るんです。

そんな生活を20年以上続けてきましたが、子どもたちが家を出たことに加え、コロナ禍を経てアシスタントも少人数になったので、週末は夫と私だけで食事をするようになりました。

引っ越す際には、大量にあったまな板や包丁を子どもたちにいくつか譲り、炊飯器も小さいものに買い替えて。時間も手間もかからないので、「なんてラクなの!」と思うと同時に、不思議な気分です。

これまでお米なら一升、お肉も1キロ単位で料理してきましたから、お味噌汁2人前といっても、分量がどうもうまくつかめません。(笑)