(イラスト:島内美和子)
イビる姑vs.噛みつく嫁、という対立構造は時代とともに影を潜め、「当たらず障らず」が昨今の主流に。しかし、心地よい距離を保っているように見えても、そこはやっぱり赤の他人。内心思うところもあるのです。嫁側、姑側の言い分を聞いてみると――(構成=上田恵子 イラスト=島内美和子 撮影=本誌編集部)

見栄のために何度も呼び出され

 先日、岐阜県に住む義母から夫に電話があり、「検診で病気が見つかった。病状説明に家族のサインが必要だから来て」と言われたんです。でも夫は「仕事で行けない」と。

私だって仕事があるし、行くなら子どもたちの世話を私の親に頼まないといけない。「自分の親のことだろ!」と夫への不満はありましたが、それでもなんとか都合をつけて駆けつけたんですね。

すると担当医が「えっ、わざわざ東京から? 家族のサインは特に必要ないですけど?」と言うじゃないですか。もうガックリきてしまって。高速バスで片道4時間半もかけて行ったのに。

田江 日帰りですか?

 はい、交通費1万円以上かけて行って、滞在時間は1時間ですよ。その後も検査だ入院だと、ことあるごとに呼び出されてグッタリ。すぐ近くに義母の兄弟が住んでいるから頼ればいいのに。途中からは、夫に「私はもう行かないから。仕事を休んで自分で行って!」と言いましたけどね。

退院の際も、病院から自宅まで5分の距離なのに「車で送って」と言ってきたので、さすがにブチ切れて、「1000円もかからないんですから、タクシーでお帰りください」と突っぱねました。