姻族関係終了届を出し、亡夫の実家と絶縁
田江 わかります。日頃から優しくされていればこちらも尽くしますけどね。うちは夫が40歳という若さで亡くなったんですが、私は結婚当初から義父母との折り合いが悪くて。
ついに先日、夫の親族と絶縁する「姻族関係終了届」を出してきたところです。夫が亡くなって10年。子どもたちも成人したのでもういいだろうと。
原 初めて聞きました。それはどんな制度なんですか?
田江 義父母や義理のきょうだいなど、配偶者の親族との関係を法的に解消するもので、夫の親族を扶養したり介護したりする義務がなくなるんです。これは先方に知られることなく提出できます。
木塚 そこまでするにはよほどの事情があったのね……。
田江 そうなんです。なにせ結婚した時に、「大切な跡継ぎである息子を取られた!」と怒りの手紙を送ってきた義母ですから。子どもができれば赤線を引きまくった育児書を送りつけてくる、成長したらしたで「孫たちの食が細い。どういう子育てをしてるんだ」と口を出してくる。けれど、お金はビタ一文出さないんですよ。
夫が埼玉に家を建てた際も、お祝いどころか「私たちに何の断りもなく家を建てた」と言いがかりばかり。
碇 それは強烈ですね。
田江 夫は出張先で突然倒れて亡くなったため、私はパニック状態。それなのに姑は、葬儀の際も自身の親族の着付け代やお車代を「しのぶさん、2万円ちょうだい」と、いちいちその場で要求してくるんです。
そんなの立て替えておいてくれてもいいじゃないですか。私の父と弟など、「急なことで物入りだろうから」と、200万円の現金を持って駆けつけてくれたというのに。
原 さすが! それが親というものですよね。
田江 しかも夫の葬儀の2週間後には、子どもたちの受験が控えていたんです。悲しむ間もなく子どもたちの世話をして、夫の死後の事務手続きに奔走して。今後の生活の不安もあるし、もう倒れそうでした。
それなのに義母は、「あなた仏壇は買ったの? 早く買わないとぉ~」と、何度も電話をかけてくる。「仏壇の前で般若心経を唱えれば心が落ち着くでしょ」って言うんです。「この非常時に何を言ってるの?」って……。
碇 それは怒って当然ですよ。ひどいわ。