独身、フリーランス。世間から「大丈夫?」と思われがちな40代の小林久乃さんが綴る「雑」で「脱力」系のゆるーいコラム。読んでいるうちに、心も気持ちも楽に軽くなる……。ただ「手抜き」のテクニックを勧めるだけではなく、年齢を重ねたことで得た「脱力」による省エネによって、次へのエネルギーを担保していこう! というのが、本企画の主旨。第9回は「バスツアーはおばさんに優しい」です。
黄色い鳩のバスツアー
12月上旬に母が上京してきた。東京近郊、あそこもここも行きたいと話しているうちに
「鎌倉に行きたい」
と、リクエストが。母が出かけたのはもう40年以上前だそうで、奇跡的に紅葉の見頃となった時期に出かけたいという。
私も鎌倉は一人で、もしくは海岸沿いのスチールロケなどで、何度も出かけている大好きな街だ。ただ75歳、高齢の母をアテンドとなるとわけが違う。タクシーや公共交通機関を使って行くのか、久しぶりすぎる私の危険な運転で、レンタカーでも借りようか。どの案もピンとこない。ふと(こんなときに運転ができる夫がいたらいいのだろうか……)と、いらぬ妄想を振り払い、プランを考える。ふと、バスツアーはどうだろうとひらめく。あの黄色い鳩のツアーだ。
さっそく母に提案をすると、快諾。ひさびさにバスツアーに参加したけれど、これが楽しく、なんなら次回はおばさんの友人同士で、もしくは一人で参加したいと思うまでに至った。いったい何が中年の心を掴んだのか、情報を共有したい。