知り合ったのは45年前だという、花創作家の志穂美悦子さん(左)と草笛光子さん(右)(撮影:天日恵美子)
今回のゲストは、花創作家の志穂美悦子さん、かつてのアクション女優の姿そのままに、鍛え上げられた肉体美はいまも圧巻の一言です。志穂美さんの長女で、女優の文音(あやね)さんと共演したことで、草笛光子さんは志穂美さんに再会しました。会うたびに草笛さんは「生きる馬力」を感じるようで――(構成=篠藤ゆり 撮影=天日恵美子)

<前編よりつづく

体を鍛え続ける理由は

草笛 まだ会わせてもらってないけど、犬種はなんでしたっけ。

志穂美 ホワイトシェパード。ジャーマンシェパードの1.5倍くらい大きいの。(写真を見せて)2匹いて、こんな感じ。

草笛 あら、大きい!

志穂美 犬を飼い始めたのは文音が高校2年のときなんですよ。文音が選んだのはプードルで、すっごくかわいいんだけど、主人が「俺がプードル散歩させてるのもなあ……」って。(笑)

草笛 あははは。それは確かに想像しただけで笑っちゃうわね。それでどうしてシェパードにしたの?

志穂美 昔、シェパードは軍用犬に用いられていて、仲間に届ける銃弾を体に巻きつけて戦場に出ていたんだとか。でも白い体毛で生まれると、戦場で使えないので殺処分されてしまう。そんな悲しい歴史を知った主人は、どうしても白いシェパードを残したくて東欧から呼び寄せたんです。まあ、いつのまにか散歩は私の担当になっていますけどね(笑)

草笛 私も以前、ラブラドール・レトリバーを飼っていたじゃない。大型犬って恋人みたいな感じなのよ。亡くなってからは毎日、写真に向かって「マロ、あんたは私の彼だったのよね」と話しかけてる。人間の男よりずっといいわ。

志穂美 わかります。夫がいてもいなくても、犬は恋人でいてくれる。