令和元年の厚生労働省のアンケートに回答した20歳以上の男女のうち、食習慣について「関心はあるが改善するつもりはない」と答えた人の割合は、男女それぞれ約25%だったそう。今回は、炭水化物を食べてOK、激しい運動をしなくてOK、お酒を飲んでもOKな「齋藤式満腹やせメソッド」を医学博士の齋藤真理子先生に紹介してもらいます。その齋藤先生いわく、「油=健康に悪いという固定概念を取り払ってほしい」そうで――。
「油」で「脂」を落とす!これがダイエットの新常識
ここでちょっとクイズです。
「手についた油性マジックを簡単に落とすなら、次のどれがいいでしょう?」
1.水
2.油
3.石鹸
正解は2の油です。
油性ペンに含まれる油は、水や石鹸(せっけん)では分解できず、油で浮かせて落とすのが効果的です。
油を含む、ケチャップや口紅、クレンジングオイルなどで落とすという人もいるようです。
では、「脂(脂肪)」を落とす「油(オイル)」があるということをご存じの方はいらっしゃるでしょうか?
その正体などは、あとで詳しく説明しますが、「内臓脂肪を減らすためには、『油』を摂るのが近道」である。この事実が近年、多くの医師や研究者にも認められてきています。
私たちは今までのダイエットブームなどの刷り込みにより、「オイル=太る・健康に悪い」、「オイル抜き=やせる・健康にいい」と、油(オイル)過度に遠ざけすぎているように感じます。
ですが、それは、むしろ体にとって「損」なことなのです。
油(脂質)はタンパク質、炭水化物と並ぶ重要な栄養素の1つであり、細胞膜やホルモンを作るために必須の成分です。
良質な脂肪分がないと、良質な細胞を作れないのです。
さらに、摂った適量の脂肪は、糖質を過剰に摂取しない限り、直接体内で脂肪になることはありません。
みなさん、認知症予防や頭の回転や記憶力がよくなる成分として、EPAやDHAという言葉を聞いたことがありませんか?
これも、油です。
まずは、油=健康に悪い、その固定概念(こていがいねん)を取り払ってほしいのです。
適量を知り、バランスよく食事に取り入れれば、油は健康な体づくりの最強のパートナーとなってくれるのです。