フロイトやユングと並ぶ心理学界の巨匠で、“自己啓発の父”とも呼ばれるアドラー。アドラーを長年にわたり追い続け、「アドラー」、「アドラー心理学」に関する著書を多く著してきた岩井俊憲さんが、数多ある本の中から選んだ、アドラーの本質を理解するための言葉をご紹介します。今回は、ライフスタイル(※日本語ではしばしば「性格」と訳されますが、アドラー自身は「ライフスタイル」と表現しています)について。アドラーが教える、相手を受け入れるために必要なこととは――。
ライフスタイルは、環境に適応するために作られたもの
「ライフスタイル(性格)」とは、その人のもって生まれたもの(体質や遺伝など)や環境に適応するために、作り上げられてきたものだと理解している。
だから、「ライフスタイル」とは、目の前の人に合わせて、対人関係に合わせて変わりえるものだ。したがってその人を取り囲む環境や状況などもすべて含めて、その人のことを見たときに初めて、ライフスタイルや特性といったものを語ることができる。
『人間知の心理学』より