「不思議なことに、事実婚状態になると、法律婚をしていたとき以上に夫と仲良くなりました」(写真提供:露の団姫さん)
落語家で僧侶の露の団姫さんは、結婚して一児をもうけたのち離婚届を提出しました。しかしその後の家族3人での生活も仲のよさは変わりなし。事実婚を決意するに至った「姓」の問題とはなんだったのでしょうか(構成:内山靖子)

前編よりつづく

公正証書の作成は母に依頼

「やっぱり、鳴海姓に戻したいんやけど」。そう告げたとき、「逆に、これまで井村姓でいてくれてありがとう」と、夫は言ってくれたのです。

すでに私たちの息子が「井村」の姓となっていたこともあり、夫の両親を安心させるというミッションもクリアできていたから、タイミングもよかったと思います。

そこで、私が「鳴海」に戻るために、ペーパー離婚をして戸籍を分けようということになりました。実際に、夫婦別姓を実現させるためペーパー離婚をしている先輩カップルも周りにいたので、この方法がベストだろうと。

ただ、離婚届を提出するにあたり、「この離婚はあくまで夫婦が別の姓を名乗るためのもの」と明らかにしておいたほうがいいと考えて、公正証書を作ることに決めました。