夫婦漫才コンビの宮川大助・花子さんは、2024年11月にコンビ結成から45年を迎えます。妻・花子さんは2019年、血液のがん「多発性骨髄腫」と診断され、現在も闘病中。夫・大助さんは、ご自身も腰の痛みを抱えながら、花子さんを懸命に支え続けています。そんな大助さんに対し、花子さんは「どれだけ深刻なときでも、あの人といると笑ってしまう」と語っていて――。今回は、お二人の闘病・介護の日々が綴られた著書『なにわ介護男子』から一部引用、再編集してお届けします。
心肺停止寸前。「花子、がんばれ!」
2022年10月29日のこと。
ベッドに横になっていると、ものすごく胸が苦しいんです。
大助くんに頼んで車椅子に乗せてもらいました。
不思議なことにストーブの前に座っていると、胸が少しスーッとして「あれ? 大丈夫かな」と。
理屈はわかりませんが、空気が温もってスチーム状になり、吸い込みやすくなるんでしょうか。
でも、またベッドに横になると苦しい。耐えられないくらい苦しい。
まったく息ができず、海の底で溺れ死にしそうな感じです。
私が呼吸困難に陥っている様子を見て、大助くんが「これは、あかん」と慌てて救急車を呼んでくれました。