「頑張らせていただきます」「お名前様、いただけますか」「書類のほうをお送りします」…丁寧に言おうとして、おかしな日本語を使っていませんか?そんな中「盛りすぎないほうが誠実で潔い!」と断言するのが京都暮らしのコピーライター前田めぐるさんです。今回は、著書「その敬語、盛りすぎです!」より一部を抜粋して紹介します。
「盛りすぎ」には、二つの意味があります
一つ目は、過剰な敬語。言葉そのものの盛りすぎです。
二つ目は、自分を必要以上に良く見せようとする盛りすぎ。炎上や誹謗中傷を招かないよう自己防衛本能が働くのでしょう。
SNS時代ならではの背景が色濃く影響していると考えられます。例えば事件の感想を求められて「犯人の方(かた)」と言ってしまうのは感心しません。
結果的に犯人を敬うことになり、盛ったつもりが盛れないという逆転現象を引き起こしてしまうからです。
他にも、周囲に気を使いすぎたり空気を読みすぎたりすることで、誤用や誤解が生じる例は多々あります。
尊大な印象を与えてしまったり、相手との距離を縮めたいのに遠のいてしまったり……盛りすぎによるダメージは決して小さくありません。