最終的に「不思議ワード化」してしまう敬語?

それなら「お色違いでもおつくりしています」というごく普通の表現で通じます。

「おつくり」と名詞化したために、最終的に美化語のような謙譲語のような不思議ワードと化してしまったのです。

ちなみに「おつくり」は刺身の美化語としての「お造り」が確立しています。(「化粧」の美化語でもありますが、「お化粧」のほうが自然)。

「おつくりする」を無理やり名詞の謙譲語にしても、話が混乱するばかり。

百歩譲って業界内で使うのはよしとしても、接客用語としては首をかしげざるをえません。

「ブルーのおつくりもございます」をパッと意味が分かるようにするなら、「ブルーでもおつくりしています」「ブルーの色違いもございます」「ブルーのお品もございます」「ブルーの在庫もございます」など、言い方はいくらでもあります。

さて、原稿をここまで書いた私は、気分転換に近所へ買い物に行きました。

レジへ行くと、そこで「ポイントカードのおつくりはよろしかったですか」と聞かれたのです。

「おつくり」の勢力拡大ぶりにギョギョッとしたことは言うまでもありません。