厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、18歳以上に推奨されている1日のたんぱく質の摂取量は、男性65g、女性50gだそう。しかし、内視鏡専門医の平島徹朗先生と秋山祖久先生いわく「実は日本人の8割がたんぱく質不足。その諸悪の根源は、不要なものが腸から漏れ出して吸収されてしまう<腸漏れ>」だそうで――。そこで今回は、お二人の著書『たんぱく質と腸の新常識: 絶対に漏らしてはいけない 新しい腸活とたんぱく質の正しい摂り方』から一部引用、再編集してお届けします。
腸漏れの最大の原因は“未消化の炭水化物”だった!
腸漏れ(不要なものが腸から漏れ出して吸収され、そのぶん摂ったはずの栄養素が正しく吸収されていない状態)の原因のひとつに「糖質の摂りすぎ、高血糖の常態化」があります。
血液中に糖がたくさんある状態が続くことで、腸内の血管が傷つき、炎症を起こし、腸漏れを招くのです。
しかし、実は高血糖だけではなく、未消化の炭水化物も胃や腸に負担をかけ、腸漏れの引き金になっているのです。
「うどんやごはんは消化がいいんじゃないの?」と思われた方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際に胃カメラで胃の様子を見ると、うどんやごはんなどの炭水化物が胃内に残っているのをよく見かけます。
胃カメラ検査を受ける人には、午前中の検査の場合、前日の夜8時までにできるだけ消化がよいものを食べてくださいとお願いしています(午後からの検査の場合、前日はできるだけ消化がよいものを食べていただき、検査開始の5時間前まででしたら卵、豆腐などは食べても大丈夫ですとお伝えしています)。
つまり、検査の12時間以上も前から、ごはんや麺、パンなどの炭水化物は控えていただいているわけです。
にもかかわらず未消化の炭水化物が胃の中に残っている……。これはいったいどういうことなのでしょう。