「年を取って何かを失うのではなく、むしろ人生経験を生かす場所があるということがわかって、なんだか救われた気持ちになったのです」(撮影:浅井佳代子)
現在発売中の『婦人公論』2024年11月号の表紙は、女優の風吹ジュンさん。70代になり「おばあちゃん」を表現できるようになって、居心地が良くなったと語る風吹さん。人とのかかわりを大事にしたいと、俳優仲間との料理教室を開いているそうで――。発売中の本誌から、特別に記事を先行公開いたします。(撮影=浅井佳代子 構成=篠藤ゆり)

実りある年代

70代を迎え、やっと「いいところ」に来たなと感じています。

子どもが手を離れてから演技に向き合えるようになったものの、そのタイミングでいただく役は中途半端な年代で難しくて。

割り切って「おばあちゃん」を表現できるようになった今、居心地がよくなりました。

最近は、含蓄のある台詞を言うのもしっくりくる。

年を取って何かを失うのではなく、むしろ人生経験を生かす場所があるということがわかって、なんだか救われた気持ちになったのです。