(写真提供:Photo AC)
本日、11月23日は「グリーフを考える日」です。大切な人との死別をはじめとする「喪失」を体験した人の悲しみを癒やすサポートを「グリーフケア」と呼びます。関西学院大学「悲嘆と死別の研究センター」の坂口幸弘さんと赤田ちづるさんは、大学で教育や研究をするかたわら、病院や葬儀社と連携してグリーフケアの支援活動を行っています。今回は、お二人の著書『もう会えない人を思う夜に 大切な人と死別したあなたに伝えたいグリーフケア28のこと』から、死別と向き合い、再び歩き出すためのヒントを一部ご紹介します。

死別の悲しみとどう向き合うか

自分が今どのような状態なのか、悲しみにどう向き合ってよいかもわからず、途方に暮れてしまうことがあります。

心の中で何が起きていて、自分はこの先どうなってしまうのか。

この悲しみがいつまで続くのか。

先が見えないことへの不安を感じている人もいるでしょう。

私どもの遺族会に来られる人の中にも、「この悲しみや苦しみはいつまで続くのですか」というような質問をされる人は多くいます。

自分が経験している死別という体験について、知ることが大切です。

関連する本や、自分と同じような経験をした人の体験談を読んでみてはいかがでしょう。死別を経験した人が書いている手記などを、インターネットやSNSで探してみるのも一つの方法です。

講演会や勉強会に出かけてみるのもいいかもしれません。

実際、私が出会ったご家族の中には、死別に関するたくさんの本を読み、マーカーで線を引いたり、付せんを貼ったりされている人も少なからずいて、何度か見せてもらったことがあります。

もちろん、とてもそんな気になれないという時期に、無理を押してまで読んだり、聞いたりする必要はなく、関心が向いたときでかまいません。